裁縫箱の宝探し 西欧輸入のおしゃれ雑貨「インポートボタン」

ボタン

先日、雑貨屋巡りをしていた時インポートボタンの専門店を見つけました。
普段から手芸用のパーツや雑貨を集めているのですが、ヨーロッパ輸入のものを見かける機会は少なく、私にとっては思いがけないラッキーな出会いだったと思います。

そのお店は遠目からはよくある商店か、手芸雑貨のお店のように見えましたが、近寄ってガラス張りの外装からふと目をやると、壁面にはずらっと並ぶ白い小箱。側面にはサンプルと思われるおしゃれで珍しいデザインのボタンが、数個ずつ貼り付けてありました。

「こんなにたくさんの種類があるのだから、何か良い出会いがあるかもしれない」
お気に入りを見つけたら必ず買っていこうと、なにか強い意志を持ったその日の私。どうしても気になってしまい、さっそく入ってみることにしました。

 

輸入雑貨の不思議な誘惑 一目ぼれしたインポートボタン

インポートボタン

お店の中に入ってみると、さらにその美しさと種類の多さに圧倒され、ぼーっとその空間に浸ってしまいました。インポートデザインだからでしょうか。これまでに見たことがないような凝った形や、珍しい装飾のものが多くてどれも魅力的。1粒だけでも目を引くほど、個性豊かな美しさを感じました。

端から順に見ていると、箱には輸入元と思われる国名や1粒の値段が書かれています。こうした上質なものだからこその値段。心惹かれた物はいくつかあったのですが今回はぐっと堪えて……その中でも特に気に入った2種類を購入しました。

1つは、ブラウン系のマーブル模様がおしゃれな、平たい円形のボタン。
一目見て「この色と模様は、まさに木星では?」そんなことが思い浮かび、大きさの異なる2粒を選びました。
もう1つは、半透明ドーム型に艶消しゴールドのラインが無造作に走る、おしゃれなボタン。
シーグラスや琥珀糖のようなキラキラと涼しげなデザインに惹かれ、さわやかな2色を選びました。

なんとか予算内におさまって一安心。インポート雑貨をほとんど購入したことがなかったということもあり、今でも眺めるたびにうれしくてホクホクしてしまいます。

ボタンでつながる思いと記憶 裁縫箱の宝探し

手芸やハンドメイド好きの私。普段から不要になったシャツのボタンや、洋服についてくるスペアボタンを集めては、キャンディの空き缶に保管しています。
今回購入したインポートボタンもその中に入れてみると、私が持っている一般的なものと並べて、ひと際存在感がありました。このボタン1つで主役のように成り立つおしゃれなデザイン。洋服を留める機能だけではなく、目で楽しむこともできるのだなあと、あらためて思いました。

こうしてボタンを集め始めたきっかけを思い返すと、幼いころに見た母や祖母が裁縫をする様子が浮かんできます。すぐ側で細かな手作業を眺めながら、裁縫箱の中身から面白そうな道具や手芸雑貨がないか探していたのですね。
祖母は裁縫箱のほかにお菓子の空き缶もセットで持っていて、その中にいろいろなボタンやパーツを集めていました。そして家族がシャツや作業着のボタンをなくしたとき、缶の中から近いサイズや色のものを選び、つけ直してくれました。
私はその缶の中からおしゃれなデザインや、珍しい形のものがないか、宝探しのように探し出すのが好きでした。その記憶があったから、私も同じように集めるようになったのだと思います。

私のボタン、誰かのボタン

こうしていろいろな種類のボタンを集めることは、今の自分が楽しむためでもあり、一方で未来の誰かのことを無意識に考えているからなのかもしれません。
だからシンプルなボタンも、インポートのおしゃれなボタンも、または手芸用のパーツや雑貨も、すぐに使わないとわかっていながらも楽しく集めてしまうのだと思います。

当時はなぜ祖母がこんなにたくさんの種類を持っているのか不思議に思っていましたが、大人になった今、なんとなくその気持ちがわかるような気がします。
私も一目ぼれした出会いは大切にしながら、これからも裁縫箱のボタンコレクションを豊かにしていけたらと思います。