エステオーナーが大切にしていること。肌と心の美容に向き合う秋

エステで買った美容化粧品

日の光が、ずいぶんと柔らかく優しくなってきました。窓を開けて、ふんわりとした風にあたると、もうすっかり秋になったのだと肌で感じます。秋の空気は心地よくて「もうずっと、秋でいいのに」とさえ思ってしまうほど。
だけど、夏の賑やかさを思うと少し物寂しいような気持ちになります。
なんとなく疲れやすくて、肌荒れが気になっていた、この秋。通っているフェイシャルエステのオーナーNさんの言葉をきっかけに、心と身体に向き合う美容について考えました。

”足枷からの解放”? いつもおしゃれなオーナーさんの言葉

「足枷を外して自分を解放してあげよう」

これがエステのオーナー、Nさんの言葉です。
“足枷”という言葉のインパクトは大きくて、少し恐れてしまうくらいです。なぜ、Nさんはこの言葉を使ったのでしょうか。

ここでNさんのことを少しだけ…。
Nさんは年齢こそ私の親くらいの世代ですが、ショートカットの白髪にオレンジ色や水色の挿し色を入れていて、耳には星空のような天然石のピアスが揺れている、そんなおしゃれな女性です。若い頃から美容関係のお仕事をしていて、60歳を過ぎた頃にマンションの一室でエステサロンを始めたそうです。
もともと私はエステに興味がなかったけれど、ちょっとしたご縁で通い始めて5年以上のお付き合い。Nさんは話好きで、エステ中におしゃべりするのが、私の楽しみでもあります。最近では、近所のオイスターバーが美味しいとか、おしゃれな雑貨を狙っているとか、そんなことを話しています。

Nさんの明るい声に元気をもらうこともしばしば。例えば、落ち込んで「あーもうイヤ」と言ったとしても、Nさんが「まったくイヤになっちゃうよね!」と返してくれれば、気持ちが軽くなっているから不思議です。

秋の日に照らされる花

秋は好きな季節、だけど…

秋の空気は心地よくてずっと外にいたくなるほど。だけど一方で熱烈な夏の日差しが少し恋しいような。そんな日にたまたまエステの予約を入れていました。

エステ中「もうすっかり秋だね」なんておしゃべりしながら、肌荒れと疲労が気になっていることを何気なく相談。すると、Nさんのアドバイスは意外にも先ほどの「足枷を外して自分を解放してあげよう」という言葉でした。

Nさん曰く、秋は夏の紫外線を受けた肌の疲れが一気に出てくる時期で、肌が荒れやすいそう。そしてそれは身体にも言えるのだとか。
夏のあいだに少しずつ溜めた疲労のせいで、秋の身体を疲れやすくし、本来のやる気を落としてしまっている。そんな不自由さを、”足枷”と例えたそうです。

「感じていた疲れは、秋への季節の移ろいのせいだったんだ」
実は少し前から、漠然とした精神的無気力感があって解決したくても原因がわからず、自分が悪いと思って焦っていました。でも実はきちんと理由があって、夏の鮮やかな太陽につられて高揚していた心身が、秋を迎えたとたん沈んでしまっていたようです。意外にも自分の心が季節の移ろいに繊細に反応していたことを知り、もっと自分を労わってあげようと思いました。

「こんな些細なことが、”足枷”になってしまうんだろうな」
Nさんの言っていた、”足枷”は、身体的だけじゃなく精神的にも生まれてしまうもので、きっかけは見過ごしてしまいそうな些細なことなんだと思います。

化粧品の画像

いつも元気でいたいから、心の美容に向き合っていく

おしゃれなNさんのイキイキとした姿に、”足枷”に向き合うヒントを見つけました。
いつもNさんに元気をもらっている私には、まるでNさんがエステを通して肌と心の状態を感じ取っているように思えるのです。
世の中には数えきれないほどの美容方法があるけれど、肌に向き合うことで、心にも向き合える。それがNさん流の”足枷を外す”美容方法なのだと思います。
Nさんのきれいな肌と明るい声は、”足枷”を外すことに向き合ってきた内面を表しているようです。

あの日以降、たびたびNさんの言葉を思い出しては、「今の自分に”足枷”はないかな」と自身に問いかけるようになりました。そして肌への向き合い方も変わりつつあります。
今までスキンケアは作業のひとつでしたが、それを自分と向き合う時間にしようと思ったのです。

まずはお風呂上りに少しだけ部屋を暗くして、静かな中でお手入れすることから。コットンに化粧水を浸すときの、ぱしゃぱしゃと水が揺れる音が心を落ち着かせてくれます。化粧水が肌に浸透していく感覚も気持ちいい。そして、ふっとその日にあったことを思い出しては、一日の反省をしてみたり。「ちょっと疲れたなぁ」とか「明日もがんばろう」とか小さなことだけど、大事な気がしています。

きっと今年の秋も短くて、あっという間に過ぎてしまうでしょう。そんな貴重な秋をたっぷり満喫したい!だからこそ、肌と心に向き合うスキンケアをこれからも続けていきたいなぁと思っています。