おしゃれも優しさも教えてくれた、お揃いの大判ストール

ストール

長い梅雨が明け始め、太陽がじりじりと照り付ける夏本番の季節。
そろそろ夏服を整理しようと思い、クローゼットを開けました。そこでふと目について手に取ったストール。数年前に一目惚れして購入し、祖母にも色違いをプレゼントした、お気に入りのアイテムです。
薄手の生地で、手触りがやわらかく気持ち良い。ふわりと広げて羽織ってみると、購入した当時の事を思い出しました。

おしゃれなストールに一目惚れ。心惹かれ、佇む出会い

おしゃれ ストール

それはとある洋服屋さんでの印象的な出会いでした。
以前勤めていた会社で、インド製のブロック染めストールを扱ったことをきっかけに、柄もののアイテムが気になっていました。

このストールで、とくに気に入ったのは柄と色。細かい三角形が集まったり離れたり、花びらがちらちらと舞っているような柄。
店頭にしとやかに並んだ、ほんのりグレイッシュなネイビー、ブルー、ライトブルーの3色展開。1枚ずつが良い色なのだけど、3色並ぶとより素敵に見えました。絶妙なトーンと優しい色味に釘付けになり、その場から動けなくなるほどの衝撃でした。
ヨーロッパ製でしたが、じっと見ていると和風のデザインにも見えてきます。散り散りの三角形は、もしかして桜の花びらでしょうか……

悩んだ末に、ネイビーとライトブルーの2色を購入。春の空のような爽やかで優しげなライトブルーは、祖母へのプレゼントにしようとしていました。上京したばかりで節約を心がけていた当時ですが、こればかりはどうしてもお揃いで持ちたかったのです。

私の体感では、祖母は我が家のファッションリーダー。クローゼットには色々な柄、素材のスカーフが並んでいました。
両親が共働きだったため、祖父母は幼い私を、暇があれば頻繁に山や公園に連れて行ってくれました。祖母はクローゼットから必ず1枚余計にストールを持っていて、肌寒い時は優しく私の肩を包んでくれ、風が強ければ首元にふわっと巻いてくれました。

おしゃれって何だろう?自分の絵具を知る瞬間

その後帰省した際に、とくになんでもない日だったけれど、祖母へストールをプレゼントしました。変わったデザインと、柔らかな手触りを気に入ってくれた様子。そのままお揃いのストールを身に着けて、一緒にお買い物に出かけました。気になる洋服を一緒に見てなんだかんだ言う時間が、新鮮だけれど少し懐かしい感じがしました。

一目惚れしたストールをプレゼントしたかったのは、祖母のセンスに近づきたかったからかもしれません。だけれど今あらためて思い返すと、生意気なことに、私が贈るストールも祖母のクローゼットの一員にしてもらいたかったのだと思います。そして私自身の好みを認識できた嬉しさも伝えたい、そんなことを心のどこかで考えていました。

おしゃれな柄の大判ストールは、優しさで包み込む記憶と

ストールは、自分のおしゃれを楽しみ、寒さからも守る一方で、隣の誰かを気遣う優しさの布だったんですね。この存在に気が付いた今、今度は私がそうしてあげる番なのかもしれません。

この気持ちをもう少し傍に置いておきたくて、このストールはいつも見えるところに掛けました。今はあまり出かけられない時期だけれど、世界が落ち着いた日には、これを羽織って帰省できたらいいなと思います。