故郷との別れ、そして金欠を知る。東京と一人暮らしと大学生1
「じゃあ、またね。」
そうして私は沖縄発、東京羽田空港行きの飛行機に乗り込みました。2014年の3月です。
それまでずっと住んできた沖縄を後にして、東京に向かったのです。なぜならば私は東京の大学に進学するため一人暮らしを始めるためにそれまで産まれ育った沖縄を離れることになったのです。
その時は家族や多くの友人が見送りに来てくれたのを覚えています。たくさんの思い出があります。
部活の仲間とくだらないことで笑った土曜日も、学校の帰り道に雨に打たれながら自転車で帰ったことも、あの夏の夜空に浮かぶ綺麗な花火も、兄にしこたま柔道技をかけられたことも、家業の手伝いで父親に怒られたことも、母親の手作りの料理も、全部。
全部覚えています。
そうした一生忘れることのない思い出と一抹の寂しさを胸に抱いて東京に向かい、新しい家で大学生活、そして東京での初めての一人暮らしを始めることになりました。
一人暮らし最高!東京楽しみすぎる!
そして、東京での一人暮らしを始めて一週間後。
寂しさなんてどこかに消え去っていました。もしかしたら飛行機に乗ったさいに沖縄の海に落としてきたのかもしれません。
東京での見知らぬ土地に見知らぬ人、まだまだ見ていない世界やこれからもっと楽しくなるだろう初めての大学生活、東京での一人暮らしに楽しさとワクワクしかありませんでした。
一人暮らしを始めて最初の一週間は確かにホームシックのようなものもありましたが、よくよく考えてみると実家にいたときは自分の時間がなかったし、休みの日なんて行くところなんて全然無かったし、一人でゆっくりとした環境が好きな私にとって一人暮らしは最高じゃん、と思い一瞬にしてフリーダムになったのです。大学生活も楽しみでしかありません。
大学生活の始まり、一人暮らしと東京を満喫する。
「一人暮らし最高!自分が好きなものを食べられるし、眠りたい時間に眠れるし、起きたいときに起きればいい、掃除しろなんて誰にも言われなきゃ、喧嘩になる兄貴もいない。しかも東京!TOKYO!楽しみすぎる!」
そんな感じのノリです。大学生活が始まるまで2週間ほどありましたから、その時は浅草や銀座、渋谷なんかに行って相当はしゃいだ記憶があります。
浅草なんて外国人だらけだったし、銀座のブランドのお店に入って1,000万円の時計を見て驚愕したり、渋谷のスクランブル交差点なんて「人」「ヒト」「ひと」人だらけです。
もちろんやりたいことばかりしました。毎日吉野家の牛丼を食べたし、15時に起きてそこから二度寝したし、一人でホールケーキ作って食べたり、山手線と記念写真撮ったり、そんなくだらないことをしていました。
唯一面倒くさかったのは洗濯ぐらいです。その時に初めて洗濯機の回し方を覚えました。
そして大学生活が始まるとその生活は更に加速していきます。大学の友達に誘われて一日中ラウンドワンで遊んだり、大学生活でのサークルというよく分からない制度を学んだり、ケンタッキーのフライドチキンの食べ放題に行ったり、とにかく大学生活が始まったことによってより生活がおかしくなります。
驚愕、大学生一人暮らしをして初めて金欠を知る。
そして大学生活が始まり3か月後、お金がなくなりました。
家の家賃などは母の実家だったため大丈夫だったのですが、生活費が底をつきました。
所持金は約1万円。18年間貯金してきた40万円ほどが約3か月で夏の日のアイスクリームみたいに溶けていました。
その時は驚愕しました「お金ってこんなに早く無くなるんだっけ?」と。
そう、私が楽しんでいた最初の3ヶ月は一人暮らしと大学生活の序盤でしかなかったのです。
その時は流石に動揺しました。親からの仕送りなどもなかったためうろたえました。
「ほんと、どうしよう」かと。
<続く>
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