誰も泣いていない腕時計を身につけたい、新しいモノの選び方

腕時計

大学生の頃。
留学をしていた友人の耳に可愛らしいイヤリングがついていました。
聞いてみると、「マイクロプラスチックでつくられたものなんだよ」とのこと。
マイクロプラスチックって、環境問題としてよく取り上げられるプラスチックごみのこと?
海などに落ちているあの細かくなったプラスチックごみが、こんなにもおしゃれなアクセサリーになるなんて…!と、とても驚いたのを覚えています。
「可愛いのはもちろんだけど、今みたいにこれをきっかけに、環境のことを少しでも知ってもらえたら嬉しいんだ」
自分の信念を大切に選び取る彼女の姿は格好良く、もしかしたら「モノを買う」ということは1つの意思表示でもあるのかもしれない。
彼女を見ながらそんなことを考えていました。
「私はつくり手の想いに賛同します」
そんな、ささやかながらも確かな意志でしょうか。

腕時計が見せる矛盾に、小さくも強い想いが生まれる

夕焼け

思い返してみると、私にもつくり手の想いに共感し、「その取り組みを応援したい」と買ったものがありました。
それは、CITIZEN Lの腕時計。
きっかけは、定期購読している雑誌につくり手の想いが綴られている記事を読んだことでした。
「よりよい社会の実現に繋がる腕時計を作りたい」という想いから生まれたCITIZEN L。
腕時計や電子機器には、武装勢力によって不当に採掘された鉱物が含まれていることが多く、そのために、地域住民が苦しめられている現実があります。
その現実に胸を痛めましたが、社会問題に関心を持ったのは、これがきっかけではありませんでした。

私が社会問題に関心を持ったきっかけは、自分よりずっと小さな子どもがチョコレートの原料となるカカオ豆を取るべく、刃渡りの大きなナタを素手で扱っている映像でした。
「弟を学校に行かせるため」
「家族を少しでも楽にさせてあげたい」
チョコレートの味も知らず、学校に行きたくても朝早くから夜遅くまで働く彼らから、目が離せませんでした。
流行り廃りが早く、色々なチョコレートが次から次へと並ぶ私たちの世界では、考えられない映像でした。
こんな世界があるなんて、と目の前の大きな矛盾に、小さくも強い想いが生まれました。
悲しい世界から生まれたものは、なるべく選びたくない。
だけど、この想いは何かに繋がるのかな。
自分にできることって何だろう、いつしかそんなことを考えるようになっていました。

ものを選ぶ視点を変えたら…

雑誌には、CITIZEN Lを作った方の想いが丁寧に綴られていました。
紛争鉱物が使われていない腕時計を作りたいと思ったけれど、部署が異なることから最初は直接腕時計作りに関わることができなかったこと。
「ものを選ぶ視点を変えることで社会が変わっていったら」という言葉。
生まれた想いは何かに繋がるのかなと考えていた自分と重なった一方、選ぶことにも意味があるのだと勇気をもらった私は、その腕時計を買いに外へ出ていました。

腕時計がくれた、自分の信念に合わせてものを選びたいという気持ち

私の腕には、いつもCITIZEN Lがあります。
つくり手の想いに共感し、買ったものは、買って終わりではない。
身の回りのものがどのようにして出来たのかを知ることで、自分以外の誰かに想いを馳せる瞬間があります。
自分の信念に合わせてものの選び方を少し変える。
お買い物の延長線上にあるささやかな行動ではありますが、腕時計を身につける時、私はいつも小さくも確かな自信に触れます。