前髪をカットして気づいたこと。髪型から眺める自分
美容院っていいですね。
数か月に一度、鏡の前に座って美容師さんと一緒に自分の髪に向き合う貴重な時間。
どんな髪型にしようかな。
あんまり深く考えたことはないけれど、実はそこに心境が表れているかもしれない。
ばっさり前髪をカットして気が付いた、髪型とそこにある心についてのお話です。
ヘアサロンは、いつもより少しだけ、 おしゃれになれる場所
あまりマメではない私が美容院へ足を運ぶのは、気が付くとだいだいいつも2ヵ月おき。毛量が多いので「そろそろ伸びてきたかな」と思ったら、あっという間にモサモサになっていて、慌てて予約を入れるような感じです。
予約した当日は特別な1日。埼玉から電車に乗って、THEおでかけ気分で都内のおしゃれな街へ。
「どんな髪型にしようかな」
まるで舞台の出番を控えている主役にでもなったかのような気持ちで、数時間後の自分に期待が膨らみます。
いつもより少しだけ、おしゃれな自分に変われる場所、美容院が結構好きなのです。
バッサリとカットした前髪とスッキリとした心
10月の少し肌寒かった週末に、美容院へ行った時のこと。この日はずっと心に決めていたことがありました。
それは2年ほど伸ばし続けていた前髪を眉上までカットすること。
前回のカットの時、短い前髪にしたい衝動が起こったのですが決断できなくて、ずっと夏からモヤモヤムズムズしていたのです。
10年間ずっと担当してくれている美容師さんに経緯から伝えると、「よし!とうとう切るのね…!」とまるで予感していたかのよう。
「せっかくだから自分で切ってみる?」と聞かれたけど、なんとなく自分では切りたくなくて、一緒に来ていた妹に記念すべき第一刀を入れてもらいました。
「ざくり」
切れ味のいいハサミだがら、実際はもっと静かな音だったはず。だけど、ざくり、のほうが、あの瞬間を表現するのにちょうどいいような気がします。
「もうこの瞬間からは5分前の、頑張って伸ばして作ったあの髪型には戻れない」
カットされた前髪がストンと落ち、視界が開けると、心がふっと軽くなるような感覚がありました。
鏡の中には、さっきまでの見慣れた自分とは少し違う私がいて、美容師さんと一緒に「おぉ~!」とちょっとした”断髪ハイ”な状態に。
美容院を後にして、妹とランチを食べていても、お互いに「今日の自分はちょっとおしゃれでいい感じ!」な気分だから、その分ご飯もおいしくて。
その日はずっと心の中で明るいBGMが流れているような、浮かれた気持ちで過ごしました。
髪型と心のつながり
思い返せば、髪型、とくに前髪に関しては私のその時々の心情とシンクロしているような気がします。
以前も短い前髪は何度かあったけど、近年伸ばすようにしていたのは、「30代になったから、大人っぽい髪型のほうがいいだろう」という思い込みがあったから。
「もう短い前髪は卒業しよう!」と思って伸ばし始めたのを思い出します。
短い前髪が子供っぽくて、長い前髪が大人っぽいなんて、誰も決めていないのに、なんとなく自分を誰かの意見とか世の中の雰囲気っぽいものに合わせておこうと思っていた節があります。
だけど30代にも慣れてきて、最近は自分に向き合う時間も増えたおかげで、それらは単なる思い込みだって気づいた。前髪をカットしてスッキリしたのは、何かに囚われていた自分と、お別れできたような気がしたからなのかもしれません。
そういえば過去10年思い出すと、私の前髪は伸びては盛大にカットされて…の繰り返しでした。
就活、転職、留学、転職…ことあるごとに、その状況に適応しようと髪型を変えてみては、しっくりこなくて限界に達するとバッサリ切ってしまうような…。
前髪を切ることで気持ちをリセットしようとしていたのかも知れない。
かなり単純で滑稽な性格だなぁと反省しながらも、髪型と当時のことを思い出すと、当時の葛藤していた自分が懐かしくて、意外と面白いものです。
§
髪型と心は意外と密接な関係にあるようです、少なくとも私の場合は。
ずっと同じ美容師さんにお願いしているのも、髪型遍歴を通して、なんだか私の胸の内を知ってくれているような気がするからなのかもしれません。
私のやりたい!を引き出して叶えてくれたおかげで、意外にも髪型という視点から自分に向き合うきっかけができました。
前よりも少し、自分のことがわかったような気がします。
普段何気なく決めている髪型について、たまに一度目を向けてみるのもいいのかもしれません。
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