大山登山、生と死を色濃く感じた日。㊤山登り趣味の初心者紀行2
そして下山した私は早速どの山を登ろうかを考えました。
とはいっても一つ山を登っただけの趣味とも初心者ともいえない素人ですから、山に詳しくありません。
そこでネットで調べてみると山クエストというサイトで山の難易度、趣味の人や初心者でも登れる山で分かれていたため、そこで調べました。
登山の初心者、趣味なりに準備してみた。
そして、居ても立っても居られなくなった私は次の週末に登山・山登りに行きました。
登る山は神奈川県の丹沢山地にある大山という山です。標高は約1,250mで、これまでで一番高い山。難易度は上級者向けと書いていたのですが、5月おすすめの山の表示と、難しいほうが燃えると思い、登ることにしました。
準備では前回の登山・山登りの反省を踏まえ初心者なりに必要なものを考えて揃えました。飲料や食料、靴は歩きやすいランニングシューズ、最後にリュックサックに初心者的な考えで登山・山登りっぽいと思って前に購入したレインウェアを詰めました。
後にこれらの判断が登山・山登りするうえで「生死」を分けることになるとはこの時はまだ思いもしません。
でかい。登山が趣味の初心者でも本当に登れるのか?
そして当日、電車やバスを乗り継いで、大山のふもと。バス停の大山ケーブル駅にたどり着きました。最初に見たときは「でかい」その一言だけ。
山の雄大さに圧倒されました。
そうなるとワクワクして、すぐにでも登りたい気持ちになったのですが、部活の時に必ずストレッチをしていたことを思いだし、あまり慣れていない初心者のため、筋肉がつっても困るので、ストレッチをして入念な準備。
大山のコースは色々ありますが、私の目的は頂上に行くというより、登山・山登りという行為を楽しむためなのでケーブルカーは使いません。
まだ二回目の登山・山登りでほぼ初心者なため体力はありませんが、既に山に魅了されていた私は気持ち良い出だしで登り始めました。
「やっぱり自然を感じながら一歩ずつ踏みしめていく登山は気持ちいいなぁ」とふくよかな森の木々に囲まれた私は体の中から浄化されていくような想いで楽しみました。
そうして一時間ほど歩いたころ、少しきつくなってきましたが、休憩できる場所が見えてきたため「よし、もう一踏ん張り」と力を込めて登る。着いた場所は阿夫利神社という地点です。
ここにはケーブルカーの到着駅があり、お店などもそろっていましが、そんなに長くは休憩せず5分ほどで息を整えて階段を登っていきます。
初心者ではありますが、ただもっと登りたいという気持ちがあったからです。
初心者の油断。登山・山登りで初の怪我を負う。
そうして、グイグイと心が体を引っ張り上げるようにどんどんと進む。阿夫利神社以降は傾斜が急になりました。
しかし初心者によくあることなのですがペース配分も考えずにどんどんと山登りをしました。
そうすると、心の声が聞こえてきます。
「もう辞めようよ、引き返そうよ、意味ないよ」と。これは前回と同じように心が折れそうになっている瞬間です。しかし、私は「来た来た来た!」と思い、そんな自分にすかさず喝を入れる。
「そんなの関係ないね、俺が登りたいから登るんだ」と。これこそが登山・山登りの醍醐味だ!と初心者ながらも感じて葛藤と戦っていきます。
そうして登って山を半分以上登ったころ、どんどんと岩肌が露出してくる、鋭い山道になっていきます。それでも登る感覚が気持ち良かったためあまり気にせずに登っていると鋭い岩がランニングシューズを通して足裏に刺さります。
顔が曇り、肺の底から思わず低い唸り声がひねり出される。これはヤバい、流石に立ち止まろうと思って休憩をして、靴下を脱ぐと足先の皮が剥け、出血していました。
幸いなことに足の中心ではなかったため歩けはしますが、ペースはかなり落ちます。後に知ることになるのですが、登山・山登りの場合柔らかい靴だとそういったことが起こるらしいです。
正直に言いましょう、登山・山登りを舐めていました。まだまだ頂上は先なため。どうしようかとても迷いました。
「これ以上、登山・山登りを続けて良いのか、初心者とも趣味とも言えるかも定かではない、辞めるか?」
私はそういった声を断ち切り進むことに決めました、「これでは諦めない」と。
この時に山を覆う大きな影が近づきつつあり、もっと大きな危険があるとは知らずに。
<続く>
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