偶然出会った大人の趣味“糸つむぎ”がくれた贅沢な暮らしの時間

糸つむぎの棒と綿

先日チームメンバーと大人の趣味の話題になりました。何年も前から“大人の趣味”を探したいなーと思いながら、これだ!と思える物に出会えずにいました。
肩肘張らずに出来る楽しみも大人の趣味と呼べるのではないかという話をメンバーがしていて、それなら、わたしでも大人の趣味と呼べるものが出来るかもと思えるような気がしてきたんです。
そんな中、友人から誘われて参加したワークショップで”糸つむぎ“に出会いました。

大人の趣味“糸つむぎ”との出会い

久々に連絡を取った友人から、主催する「糸つむぎと蜜ろうキャンドルのワークショップ」に誘われて、久ぶりに会いたいという単純な理由からそのワークショップに参加してきました。

“糸つむぎ”も“蜜ろうキャンドル”も聞いた事の無い方も多いかもしれません。
「糸つむぎ」はその名の通り、綿や羊毛の綿を糸つむぎの道具を使ってワタから糸へとつむぐ作業。
「蜜ろうキャンドル」の蜜ろうとはミツバチの巣をつくる時に分泌する蝋ロウのこと、簡単に言うとミツバチの巣そのもののことです。蜜ろうキャンドルは、ミツバチの巣を溶かして作られたキャンドルのこと。

わたしも糸つむぎもキャンドル作りも初体験。
糸つむぎは、糸をつむぐための道具(針の棒・木の棒や糸車)を使って、ほぐした綿のワタをよりながら棒に巻き付けていきます。今回の道具は、針の棒を使って完全手動で糸をつむぎました。最初に棒にワタを少し巻き付けて、その棒をクルクルと回転させながら遠心力でワタをよって糸にしていきます。最初ワタを棒に巻き付けるのが少し難しかったのですが、その後の棒を回しながら糸にしていく作業は初心者でも簡単に出来ました。
クルクルと棒を回転させながら、ワタを持つ手の力加減や回転速度によって、糸が太くなったり、細くなったり、途中糸が切れてしまったり。
上手く棒がクルクルと回転しだしてリズムに乗ると、頭の中が空っぽになっていきます。まるで瞑想しているよう。

ふわふわのワタが糸に変わっていくのを見つめて没頭していると、直ぐに一時間も経っていました。
友人から声をかけられるまで、周囲の人もそっちのけで糸つむぎに夢中になっていたわたし。
出来たのは細かったり太かったりと全く均等では無い数十センチの長さの糸。その不均衡さがわたしの心を表しているようにも感じられて、どこか愛おしくて愛着が沸いてきます。
次は蜜ろうキャンドル作り。つむいだ糸を4本重ねの束にしてキャンドルの芯にします。溶かした蜜ろうを流し込み、ロウが固まるまで待てば完成。

キャンドルが固まるまでの待ち時間にも、わたしは糸つむぎがしたくて、針の棒を回転させて糸をつむいでいました。
思いがけず出会う事になった”糸つむぎ“という手仕事は、ワクワクする高揚感は無いですが、自然と心が落ち着いて没頭してしまう不思議な魅力を感じました。

こんなにも夢中になれる事に出会ったことがうれしくて、ワークショップが終わる頃には、次回もまた参加したい!なんて考えているほど。
そんなことを考えていたら、会の最後に主催者さんが糸つむぎの針の棒とワタをプレゼントしてくれました。「これで家でも出来る」と心が弾んでいました。

ワークショップの帰り道。
先日チームメンバーが話していた「肩肘張らずに楽しめることも大人の趣味になる」という言葉を思い出して、糸つむぎは気軽に楽しめる趣味になりそうだなと思えたんです。

つむいだ糸と蜜ろうキャンドル

大人の趣味との出会いのチャンスは暮らしの中に隠れているのかも

糸つむぎとの出会いを振り返って思ったことがありました。
1つは、あえて趣味を探しに行かなくても、感覚に素直になって、趣味はこういうモノと固定してしまっている思い込みをちょっとだけ変えてみることで見つかるのかもしれないということ。
そうするだけで、暮らしの中の出来事が趣味との出会いのチャンスへと自然と変わっていくように思えてきます。
例えば、料理も何気なく作っていたけど、実は自分にとって心を落ち着ける時間になっていたとか。あるいは、料理や服も既製品を買わずにあえて自分の手で作ってみるだけで、簡単なことでも大人の趣味と呼べるものになるのかもしれません。

2つ目は、気にも止めていなかったことでも経験してみたら、以外な発見や感覚と出くわすことが出来ることがある。
いつもの暮らしから一歩外に出てみたら、意外と新しい体験や好きな時間に出会うチャンスが転がっているのかもしれません。

そう考えたら、暮らしのルーティン(料理やお裁縫)の時間や、知人からのお誘いも、新しい出会いかも!と今よりもっと楽しむことが出来そうな気がしてきます。

いつまでも出来る細く長く続けたい大人の趣味

偶然出会った糸つむぎという大人の趣味。これから自分なりに時間をかけて長く楽しんでいきたいなと思っています。
肩肘張らずに自分のペースや感覚を大切にしていくことで、ずっと楽しめるものになりそうな予感がしています。
焦らず、気負わず、細く長く。

いつになるかはわからないけれど、つむいだ糸に色を染めて一枚の布を織ってみたいな。
糸つむぎは手が動くうちはずっと出来ることなので、もしもずっと続けていたら、おばあちゃんになったその時に “糸をつむぐ”ことが暮らしの一部に溶け込んでいるような生活が出来ているかも…なんて妄想は膨らみます。

織物

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