大人が楽しむ万華鏡。自分の好奇心は案外自分でもわからない

万華鏡の展示会があるという情報をネットで見つけ、行ってきました。
ネットで見たチラシの画像には、キラキラした万華鏡の模様の画像が大きく1点、そしてたくさんの万華鏡作家の名前が連なっていました。ほかにはどんな作品があるんだろうと、そのシンプルなチラシが逆に興味をそそりました。
会場となるギャラリーは、私の住む街と隣町をつなぐローカル線の終着駅から徒歩5分。この街に住んで何年も経つけれど、まだ乗ったことがなかったそのローカル線に乗ってみるのも楽しそう。
きっかけは、そんなちょっとした好奇心でした。

子供のころの万華鏡のイメージとは違う世界

自動改札がなく、久しぶりに切符を購入して乗ったローカル線は、2両編成の短い電車。車中で「最後に万華鏡を見たのはいつだっけ?」と思い出してみます。でも、思い出せません。
観光地の土産物屋さんの隅っこで売られていて、円柱状のボディにちりめん和紙のようなものが貼られていて、手に持って回しながら穴を覗くと、カラカラと小さな音をたてながらキレイな模様が次々現れる…。私の頭の中に残っている万華鏡のイメージを思い出しながら、会場に向かいます。

万華鏡展

昭和30年代頃まで茶舗として使われていたという土蔵造りのこじんまりとしたギャラリーには、私がイメージしていた形状とは全く違う作品が並んでいました。
入って最初に目についたのは、本を模した大きな置物。これも万華鏡?と不思議がっていると、スタッフさんが「上から覗きながら、側面についているダイヤルを回してみてくださいね」と教えてくれました。上から覗くと、そこには思い出の中の万華鏡よりも大きな空間が広がっていて、色とりどりの光の粒がゆったり形を変化させていく様を見ることができました。なんでも、万華鏡の世界大会で最優秀作品賞を受賞しているものなんだとか。
その隣に並んでいた万華鏡も受賞作品。本体はキレイなガラスの置物のようで、同様に上から覗くタイプ。外側から当てられているライトの効果で、模様がさらにキラキラと別の表情を見せてくれます。
もちろん、思い出の中の万華鏡のような、手に持って回すタイプのものもたくさんありましたが、私のイメージの中にあったちりめん和紙の万華鏡はひとつもありません。本体はアルミ製・ガラス製など、材質も大きさも様々。持ち歩けるキーホルダータイプのものもありました。穴を覗いて見える模様も、パールや天然石など、自分のなかのイメージとは違う素材が使われているものもあり、おもちゃのイメージだった万華鏡が、大人のためのアクセサリーのようにも思えてきました。

思い出との違いに気づき、むくむくと好奇心が

手作りキット

どれも、回したその瞬間に偶然生まれる世界にひとつだけの模様。それぞれの万華鏡が見せてくれる偶然の世界をひとつひとつ味わっているうちに、気づいたことがありました。
「あれ? 本体を回していなくても、ゆっくりと模様が変わっていってる。カラカラと音もしない…?」
不思議に思ってスタッフさんに伺ってみると、中にオイルを入れているので、そのおかげでゆっくりと模様が変化していくのだとか。今ではよく使われる手法で、とくに珍しいものではないそうですが、万華鏡との接点が数十年前から止まっている私には、新鮮な驚きでした。
そうなると、今度は万華鏡の構造のことも知りたくなってきました。壁に貼ってある万華鏡の仕組みを説明した資料に目を通すと、中に使う鏡の枚数や配置、材質にいくつかの種類があり、その組み合わせによって模様の見え方が違ってくるようです。
ふむふむ…とは思うけど、資料を読むだけではイメージしづらいなぁと思っていたら、手作り万華鏡キットが売られていることに気づきました。きっと子供向けの簡易なものなのだろうけど…気になってしまったし、自分で作りながらの方が理解できそうと、勢いで買ってきてしまいました。

好奇心の赴くままに行動して出会った新たな自分

万華鏡の模様

展示会に行く前は「キレイな万華鏡の世界を楽しめそう」というくらいの思いだったのに、模様の美しさだけではなく、最終的には構造のことにまで興味が湧いてきていた自分自身のことをおもしろいなぁと思いながら、買ってきた手作り万華鏡キットを楽しみました。自分が何に好奇心を持つかは、案外自分でもわからないものですね。
きっかけはささいなことでしたが、その小さな好奇心の芽に素直になり行動してみたことで、新たな自分に出会えました。大人になると、いろいろな理由から後回しにしてしまいがちな小さな好奇心の芽。それを見過ごさないようにすることで、子供のように柔軟にいろいろなものを吸収できるのだなと、そんな子供のような部分を大切にしたいなと思えた展示会体験でした。

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