大人が自由に表現することの楽しさと難しさ。私と仕事を考える
先日、ものかき部のメンバーで、自分の今の仕事について具現化してみようの会を行いました。自分の仕事について、他人に言葉で話すことはあっても、それを道具を使って表現するってなかなかしないことだと思います。大人になればなおさら、何か作品を作って表現する機会すらほとんどないですよね。
なぜこういったことを行おうと思ったかと言いますと、佐宗 邦威さん著書の『直観と論理をつなぐ思考法』を読んでいた際に、「レゴ®シリアスプレイ®」というワークがあるということを知りました。「レゴ®シリアスプレイ®」とは、文字通りレゴブロックを使って頭の中にあるイメージを具現化するワークです。頭の中にある言語化できないことを具現化し対話することで、その人の想いや考えを共有することができるそうです。
自分の中にある、ことばにできない想いをカタチにして表現するっておもしろそうですし、自分が意識していないものも見えてきそうな気がしました。
その話をチームの人にすると「面白そう!」と盛り上がった為、みんなで取り組んでみることにしたのです。
表現することで見える、私と仕事の関係性
今回はレゴではなく、もっと身近な、誰でも幼いころに触れたであろうものを使いました。紙ねんど、画用紙、キラキラのモールやラインストーン…久々に触るそれらの感触に、なつかしさからかみんなテンションが上がります。
テーマは「自分の今の仕事について」です。みんな同じチームでおんなじ業務行っている中、どんな表現の違いになってくるのでしょうか。
制限時間を設けて30分間、雑談を交えながらも自分の心と対話し、もくもくと手を動かしていきます。仕事の内容、仕事を通して考えていること、それらを表現するとしたらどんなカタチなのか。それは何色なのか。
自分の心と向き合い、夢中になってカタチを作っていると30分はあっという間。そして自分の心の中から現実に戻ってきて周りを見渡すと、そこには色もカタチも全く違った表現の作品が並んでいました。
それぞれが、出来上がった作品を基に、仕事をどのように捉えて何を表現したかったのかを質問を交えながら説明します。どうしてその色で表現したのか。どうしてそのカタチで表現したのか。どんなことを考えながら作り上げたのか。説明を聞くと、同じことを考えていても自分とは表現方法が異なっていたり、自分にはなかった視点や発想があったりと、共感や感嘆の声が上がります。自分では表現しきれなかった部分が、他のメンバーの感想で補完されることもありました。
そして、出来上がった作品には不思議とその人に近いイメージの色が使われていたり、その人の好みのモチーフが使われてたり、どこかその人の故郷を感じさせるような表現があったり。そっか、ただ私と仕事として表現しているのではなく、その人の体験や経験、出会った人や育ってきた環境など、そういったものが土台となって、表現として表れているのかも。そんな風に思ったら、みんなの作品がより一層素敵なものに見えました。
大人も子供も表現する自由な感覚は同じ
上手に作ることが目的ではない、完成のイメージやゴールなんてものもない、正解のないものを作っていくということ。最初はその感覚に戸惑いもしましたが、手を動かしているうちにどんどんと楽しくなっている自分がいたことにも気付きました。大人になるにつれて、正解に自分を当てはめていくことが増えていたような気がするので、こんな風に自由に表現するということが楽しいという感覚を忘れていたような気もします。
自分の心・気持ちからで仕事を捉えている人や、自分を超えて 社会全体から見て仕事を捉えている人など、人によって見方に違いがあることもとても興味深く感じました。人それぞれの視点や大事にしているもの、表現の仕方などの特徴を生かして仕事に取り組むこともできるかもしれません。
今回は、自分の考えをカタチにして表現できた嬉しさと、新しい自分を見つけられたような感じを得たワークでした。
これは、今この瞬間に思っている私の仕事についての表現。また1年後に同じことを行ったら、今度はどのような表現になるのでしょうか。考えると少し、わくわくするのでした。
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