東京で手作りアクセサリー|”繕う”に触れる金継ぎ体験
金継ぎを東京で体験|ものに向き合う時間と一期一会の特別感
”自分だけのオリジナル”、”世界に1つだけ”、そういったものにとっておきの価値を感じるから、好みの組み合わせでカードケースやアクセサリーが作れるというような、手作りの体験はとても魅力的です。
また、じっくり手を加えたり、友人と一緒に作り上げる時間も、より愛着を持たせてくれます。
この記事では、東京のワークショップで体験した【金継ぎを使った手作りアクセサリー】の作り方、その工程をお伝えしていきます。
もともとは器の修理に使われていた金継ぎ。その金継ぎをアクセサリーに活用して生まれる特別感を、ぜひ東京で体験してみてはいかがでしょうか。
金継ぎが気になっていた方、初めて知った方も、この記事を通して興味を持ってくださると嬉しいです。
色味もカタチも一期一会、合わせる金継ぎも、自分の手で継ぐ。金継ぎアクセサリーは、同じような色や素材を選ぼうとも、二度と同じものは作れない。そう感じる体験でした。
◇目次
東京都内のワークショップで、アクセサリー手作り体験
1.手作りの醍醐味!どんなデザインにする?パーツ選び
2.接着剤でくっつける
3.金粉入りの漆を塗る
4.金継ぎアクセサリーの仕上げ。金粉を”蒔く”
5.完成! 歪な継ぎ目も美しい、金継ぎのアクセサリー
金継ぎをもう少し詳しく!趣味としても親しまれる金継ぎを知ろう
【呼び継ぎ】とは?大人を魅了する金継ぎの深い魅力。体験を入り口に趣味を広げよう
東京都内のワークショップで、アクセサリーの手作り体験
手作り体験に訪れたのは、東京都内、東急東横線【都立大学駅】から徒歩1分
ものづくりを楽しむことをモットーに、様々なワークショップを開く、ものづくりの秘密基地【Maker’s Base】さん。金継ぎの他にも、レザーで作るポシェットや、ろくろで作る陶器といった様々なワークショップが用意されています。東京で様々な手作り体験を挑戦するのにぴったりですね。
手作り体験したのは、【金継ぎでつくるグラスピアス(イヤリングも選べます)】。好みのシーグラスを2つほど選び、金継ぎでつなぎ合わせてオリジナルのアクセサリーを手作りします。
※器の修理用の金継ぎの体験は、修理したい器の持ち込みが必要になります。
それでは、手作り体験について紹介していきます。
1.手作りの醍醐味!どんなデザインにする?パーツ選び
まずは、カラフルなシーグラスから、自分好みのカタチ、色合い、サイズなど、じっくり選んでいきます。宝石箱のようにキラキラと溢れていて、女性陣のときめく心の音が聞こえた気がします。
夢中になりすぎず、気を付けるポイントは2つ。
・パーツをくっつけた時のサイズが、3cm×3cm以内であること
・しっかり固定できる、安定した接地面があること
用意されているパーツは、似通っているようで、どれも全く違います。もともとが大きいパーツは、スタッフさんにお願いして割ってもらうことが出来ますが、割ったカタチはランダムに。ベストなカタチをみつけるのが本当に難しく、まさに一期一会です。
ここに与えられた時間は、なんと30分。そんなに時間いるの?と思いながら選んでいたのですが、気付けばあと5分…!と時間が迫ってきているのです。手にいくつものパーツを持ち合わせ、これでもないあれでもない…と、合わせていくのを楽しみながらも、どの組み合わせも素敵に思えて、悩んでしまいました。
追加料金でパーツを増やすこともできます。
2.接着剤でくっつける
パーツを無事選べたら、次は接着剤でくっつけます。2種類の液体を混ぜ合わせて作る、特殊な接着剤です。パーツの角が気になる場合は、先にやすりをかけて、なめらかにしておきます。
この時にせっかく選んだパーツが欠けないよう、力加減に注意しましょう。
ここでの作業は、くっつけるだけではなく、完成した見た目にも影響していきます。金継ぎの部分をぷくっと立体的にさせたい場合は、くっつけた際に溢れるように、接着剤をたっぷりとつけます。(つけた後にも付け足して乗せることも出来るので、ほどほどでも大丈夫です)
あまりぷくっとした仕上がりにしたくない場合は、少なめに塗っていくのが安心です。
3.金粉入りの漆を塗る
接着剤が乾いたら、いよいよ金粉が登場です。
金粉を練りこんだ漆で、先ほど塗った接着剤をコーティングしていきます。銀紛も用意されており、【金継ぎアクセサリー】か【銀継ぎアクセサリー】を選ぶことができます。
漆が塗れていないところには仕上げに蒔く金粉がのらないので、丁寧な作業が必要です。
使うのは爪楊枝。ここが綺麗に仕上げるために一番集中が必要な工程であると感じました。個人的なポイントは2つ。
・接着剤からはみ出さないように塗る
・ムラなく、爪楊枝の跡などを付けないように塗る
金粉入り漆を塗っていくと、あっという間に完成形がみえてきます。自分で選んだパーツたちにアクセントが加わり、全く違う印象を受けます。
4.金継ぎアクセサリーの仕上げ。金粉を”蒔く”
漆が乾いたら、最後の仕上げ。金粉を蒔きます。
少量の金粉を、漆を塗った上に筆で優しく、ささっとふれるように塗る。ぴかぴかと光っていたように思えた金が、マットな質感に代わり、上品な輝きを放つのがわかります。
5.完成! 歪な継ぎ目も美しい
上手にできなかったかな?と思っても、台紙にいれるとまるで売り物のように感じます。いびつさこそが金継ぎの魅力で、手作りの魅力でもあります。
しっかり固まるのに、約24時間ほどかかるそう。
持ち帰りには気を付けて、固まるまでそっと保管しておきましょう。
金継ぎをもう少し詳しく!趣味としても親しまれる金継ぎを知ろう
いかがでしたか?
今回の東京での体験は、ちょっとやってみたい、そんな方におすすめしたい体験でした。
本格的な金継ぎには、接着剤にも漆を使ったものだったり、手がかぶれてしまうものもあったりと、気を付けないといけないことや、じっくりと完成を待つものも多い。
今回アクセサリーを手作りした金継ぎは、室町時代のお茶の文化の中で生まれた、器の修繕技法です。割れた器を漆などで接着し、金粉で装飾していくのが主な形。
当時は茶道自体が高貴なたしなみであったため、この金継ぎも格式高く、大切に扱うべき高級品に使われていたものでした。
そして現代では、”高級品”に限らず、”ながく使っていたい”という、大切にそばに置きたい”もの”への心から、普段使いの器などの日用品に使われるようにもなったのです。
ちょこっとフチの欠けたお茶碗、落としていくつものカケラに分かれた平皿。とっておきのものや、長き時を共にした、思い出の宿る器たち。金継ぎは、それらを蘇らせるばかりか、新しい魅力を連れて、持ち主の元に帰ってくる。
金継ぎを施すことに、”繕う”という言葉が充てられています。金継ぎがただ単純に壊れたものを”直す”だけではないからなのでしょう。日本人の美意識が根底に潜む、日本固有の芸術。
海外でも注目され、“japanese art”とも称されているようですよ。
思い出の宿る器を、金継ぎで繕う。
いつかずっと使っていきたい、思い出を一緒に感じたい、そういったものに出会えた時のために、金継ぎという技法を体験出来てよかったと思います。
【呼び継ぎ】とは?大人を魅了する金継ぎの深い魅力。体験を入り口に趣味を広げよう
金継ぎには器の欠損によって、繕いの”種類”があります。そのひとつ、【呼び継ぎ】という技法を最後にご紹介します。
器を割ってしまった時、カケラもみつからない、相方が行方知れずになってしまった器に、別の器を継ぐ技法です。少しの欠けならば、粘土のような”サビ”で埋めていきますが、大きな欠損には適しません。
割れてしまった大切な器に、別の捨てられなかった器を呼んで、継いでいく。お互いに新しい命が吹きかかる様な、そんな呼び継ぎも素晴らしいですね。
趣味や体験から、さまざまな出会いに繋がっていく。東京以外でも、様々な手作り体験を見つけて、興味や趣味を広げて手作りや手仕事を、楽しんでいきたいですね。
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