“読書”…ではなく、“本”を楽しむ

withコロナ時代…在宅勤務も“日常”になってきました。満員電車での往復2時間の通勤がないおかげか疲れも少なく、一日が有意義に過ごせている気がする今日この頃。ここ何年もゆっくり本を読むことから遠ざかってしまっていたけれど、これを機に読書量が増えてきました。

会社から借りてくる本、自分で購入する本、さまざまだけど、購入する場合はこんな時代を考慮して、ネット書店やフリマアプリを活用。たびたびポストに投函される本たち…
届いた本を手にとってみて、読んでみて、本の内容とは別のところに反応することが多い自分に、ふと気がつきました。

「この本、文字の組み方に違和感があるなぁ。誤植も多いし、印刷もずれてる」

最後のページで確認したら、初版は自分が生まれる10年以上前のもの。突然、アンティーク本を触っているようなほっこりした気分に。今みたいにスピーディーに印刷できたり、電子書籍として発行できる時代と違って、いろいろな制作工程で、職人のような人たちが手間をかけて作ってくれたものなのかな…きっとその当時は、1文字直すのも今より大変だったんだろうなぁ…と想像したら、誤植すらも愛おしいような気持ちに。

見返し

「表紙カバー、こんな手触りの紙を使ってたんだ。見返しと扉(※)もそれぞれ紙や色が違って、(本のタイトルのとおり)いかにも楽しげ!」
(※見返し…平綴じの本で表紙の裏に糊付けされる見開きの紙 ※扉…見返しの次に、本の題名や著者名が表示されているページ)

「うわっ! 文庫本ではめずらしい、変わったフォントを使ってる。文字が迫ってくるみたい‼」
中を見て買わないからこそ、手元に届いて、実物に触れて、紙の質感や文面のレイアウトから感じとるものが、いつもより新鮮。ネット注文だと「作者」や「内容」だけが購入の判断基準になっているけれど、自分にとって、本屋さんで本のつくりそのものを見て買うことも楽しみだったんだと実感しました。

作り手からのメッセージ…?

以前買った本も改めてパラパラ開いてみると…

写真集

「この写真集は、180度開いたまま置くことができるように製本されているという説明書きを読んで、お気に入りのページを開いた状態で飾れるように作ってくれたんだ、優しいなぁ…と思って買ったんだっけ」
(タイトルに「ブルー」という言葉が入っている小説の)「見返しの色がとっても鮮やかな水色だけど、作者や編集者さんは、この作品をこんな色でイメージしているのかな? 私はもう少し深い青をイメージするかも? もう1回読んでみようかな…」

そのほかにも、こんなふうに「本」を楽しんでいたんだと、改めて気づいたことがありました。
カバー付きの本を買うと、カバーを外したときの表紙デザインも気になって、必ず見ちゃう(おしゃれだと嬉しい)。
ページをパラパラ開くときのにおいも好き。なんでだろう…そうか! 「本のにおい」の最初の記憶は、小学校に入学したとき、机の上に一式揃えられたピカピカの教科書のにおい。新しい環境、新しく学ぶことへの、わくわくした感じ…。本のにおいは、そんな記憶を呼び起こすのかもしれません。
「あれ? 見返しって、そもそもなんのためについているんだっけ…」と、新たな興味も湧いてきました。調べてみたら、表紙と中身をくっつけて製本するときに、補強する役割をしてくれているんだって!
「読書」だけではなく「本」自体を、こんなにも楽しんでいたんだ、私…

楽しみ方が広がれば、もっと楽しい!

こんな話を周囲にしたら、「おもしろいね。特にどのポイントに惹かれるの?」と。
どこ… うーん… どこだろう?
紙も好き。色も好き。フォントも好き。
タイトルの文字が少しポコって浮き上がってたり、金銀に光ってたりするみたいな、特殊加工もおもしろい。どれかひとつに決められないし、作品によっても違う気がしてきました。

考えてみたら、本の内容だけを楽しめればいいのであれば、装丁はごくごくシンプルなものでもいいわけで。それを、数千種類もある紙や色、フォント、さまざまな印刷方法の組み合わせの中から、その作品の魅力をより引き出せる形を模索して、作り手の人たちが仕上げてくれたおかげで、より本の内容を楽しませてもらえているんじゃないかな。
演劇や音楽のコンサートが、演技や演奏だけでは成り立たないように。
照明さんや、音響さんや、衣装さんや、ヘアメイクさんの仕事があって、すべてが合わさってひとつの作品になるように。
その作り手の想いを感じ取ったり、自分の感じ方との違いに気づいたりするのが楽しいのかも!

そのほかの「好き」なことの中にも、ひょっとしたら、まだ気づいていない別の楽しみ方があるかもしれません。それをじっくり探しながら、楽しみ方を広げてみたいと思います。

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