七夕に食べる食べ物は?由来を知って、暮らしの行事をさらに楽しむ
空の機嫌が気になる梅雨。その後にやってくる、爽やかな初夏の行事、七夕。
七夕飾りでお部屋を飾り付けたり、七夕にまつわる食べ物を食べたりなど、日本の七夕を楽しむ方は多いのではないでしょうか。
特に七夕は、色とりどりの食べ物や、星の形をした食べ物といった、明るくポップな印象を感じますね。
日本の生活に根付いた七夕の食べ物をさらに楽しむために、今回は七夕にぴったりの食べ物のお話です。
何気なく毎年食べていた七夕での行事食に、”そんな意味があったんだ!”と、ちいさな発見が生まれましたら嬉しいです。また、生活の中で、歴史や流れる時間に触れるきっかけともなりますといいなと思います。
<目次>
◆そうめんはなぜ七夕の食べ物なの?由来や込められた願い
◆日々の生活にも◎七夕に食べたい縁起がいい食べ物
◆”五色”を知ると、七夕がもっと楽しくなる!
◆日本の暮らし。食べ物から、季節行事を楽しむ
ーお知らせー
プレコチリコは、この度お買い物サイトオープンを機に、電子雑誌を創刊いたしました。
取り扱う商品は、こちらからご覧いただけます。
▶ 商品カタログ [ fukuramu ] ◀
こちらでは、プレコチリコの想いがつまった
ブランド雑誌を、一部公開しています。
商品カタログとあわせてお読みください。
▶ ブランド雑誌 創刊号 [ 贈りことば ] ◀
◆そうめんはなぜ七夕の食べ物なの?由来や込められた願い
夏の定番の食べ物であるそうめんは、七夕の行事食としても有名です。
七夕の食べ物といったらそうめんを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
長くまっすぐなそうめんを、天の川に見立てているから、という考え方もありますが、元となる言い伝えや、込められた願いがあります。
写真は愛媛の「五色そうめん」。華やかな色合いが楽しみを生みながら、縁起のよさを感じさせてくれる食べ物です。
そうめんの起源は、索餅(さくべい)という小麦粉と米の粉を練り、縄のように細長くねじって作られる、奈良時代に中国から伝わった食べ物だそう。
中国で帝の子どもが7月7日に亡くなり、その後熱病が流行ったことから、病よけとしてその子の好きだった索餅をお供えし、それが習慣となったことから、七夕の定番の食べ物として定着していったという言い伝えがあります。
それが後にそうめんに変化し、無病息災を願う七夕の食べ物として、日本の多くの人に知られる食べ物になったのですね。
他にも、そうめんは織姫がつかう糸に見立てることもあり、「芸事、習いごとが上手になるよう」という願いを込められるなど、より七夕を楽しめる物語も。
そうめんは夏の風物詩としても愛される食べ物ですが、七夕の食べ物としての由来もあり、定番だった食べ物がなんだか特別に感じるようになりますね。
短冊のように、上手になりたいもの、できるようになりたいことを思いながら丁寧に食べることで、より深い七夕を楽しめそうです。
◆日々の生活にも◎七夕に食べたい縁起がいい食べ物
七夕の行事食という訳ではありませんが、定番に食べられている食べ物や、七夕を楽しむ食べ物として人気な食べ物と、込められた願いなどご紹介していきます。
ちらし寿司~暮らしに根付いたお祝いの定番食~
七夕によく食べられるちらし寿司は、実はそうめんのように、七夕に食べる言い伝えなどはありません。
しかし、ちらし寿司に使われている食べ物は、それぞれが縁起のいいとされている食べ物を使っているため、暮らしの中のお祝いごとの定番食としてちらし寿司を食べることが、日本の習慣になっています。
例えば、エビは長寿を象徴し、いくらは幸福を象徴します。また、海苔は厄除けの効果があるとされ、錦糸卵は子孫繁栄を意味します。
このように、ちらし寿司の多彩な具材がそれぞれに縁起を担いでいるため、七夕に限らず、日本の暮らしのお祝い事に欠かせない食べ物の一つになっているのですね。
金平糖~ちいさなお菓子に詰まった幸福~
多くの方に馴染みのある金平糖。星のような形と、カラフルな色合いが、七夕のお菓子にぴったりですね。
室町時代ごろにポルトガルから伝来したとされている金平糖は、実は縁起のいい伝統のお菓子。
金平糖は、木の年輪のように砂糖を何層にも重ねて、少しずつ製造していきます。時間をかけながら大きくなる様子から、子孫繁栄や家庭円満と言った意味を持つのだとか。
他にも、金平糖のトゲを鬼が嫌うため、厄除けであったり、カラフルな色は気持ちが華やかになることから、幸福の意味をもつなど、金平糖はさまざまな意味を持ち合わせる食べ物です。
そのため、七夕の他にも、祭りやお祝い事などのイベントでの定番の食べ物のようですよ。
こどものお菓子としても人気ですね。
オクラ~どんな料理にも添えられるパワフルな食材~
オクラは輪切りにすると星型の形状が特徴的ですよね。そうめんに入れたり、天ぷらや煮物、サラダなど、様々な食べ物とも合い、彩りを与えてくれるので、七夕の行事食にぴったり。
鮮やかな緑色も、五色の”学問や家庭円満”を願う意味を込めることができますね。
また、粘り気のあるオクラの糸が、織姫が織った糸に似ている、というお話や、オクラの粘り気から、「ねばり強さ」の意味が込められている、と考えることも。
習い事や、はじめたいことが上達したり、長く続いていくような意味合いを感じられる食べ物ですね。
スターフルーツ~南国のフルーツが七夕を引き立てる~
その名の通り、黄色く、切り口が星形になっているスターフルーツをご存じですか?
生活の中で知名度はあまり高くありませんが、五色を取り入れたカラフルな食べ物が多く食べられる七夕に、ゼリーやデザートに取り入れてみるのはいかがでしょうか。
生で食べるのはもちろん、サラダやスムージーなどにも◎
とてもかわいらしく、スッキリとした酸味が人気です。こちらは縁起物ではありませんが、星形の食べ物は、なんだかいいことが起きそうな予感がしませんか?
◆”五色”を知ると、七夕がもっと楽しくなる!
食べ物それぞれの縁起のよさや意味も、七夕を知る上では大切ですが、色についてもぜひ注目してみてください。
日本の伝統的な行事や習慣によく取り入れられている色に、「五色(ごしき)」というものがあります。
五色とはその名の通り5種類の色のことで、5つの色それぞれに異なる意味が込められている、と考える日本文化です。
この五色は、もとは古代中国の思想である五行説が由来という説があります。
五行説は、木・火・土・金・水の五つの元素が宇宙を形成しているという考え方で、それぞれの元素には色が対応しています。この考え方が日本に伝来し、五色が縁起の良い色として広まったとされています。
赤色:健康や長寿
黄色:金運や商売繁盛
緑色(青):学問や家庭円満
白色:清潔や純粋さ
紫色(黒):厄除けや魔除け
少しずつ変化はありつつも、七夕の短冊飾りの色はこちらからきているのだそうです。
五色や縁起のよい食べ物を取り入れることで、その食べ物に込められた願いが強くなり、その願いを届けることができるとされています。
定番の食べ物や、縁起のいい食べ物はたくさんありますが、好きな食べ物に色の意味をあてはめて、七夕を満喫するというのもいいですよ。
五色を知ると、日本文化における願いや、思いの強さを感じます。
それぞれの意味を考えるきっかけや、暮らしの中での色に目を向けるきっかけになりますね。
◆日本の暮らし。食べ物から、季節行事を楽しむ
それぞれ何気なく食べていた七夕の食べ物やお菓子にも、由来や意味があることを知ると、ひとつひとつに重みがあるように感じます。
当時のままの姿や意味とは少しずつ変化していたり、地域によっても異なっていたりと、正しい言い伝えや、意味といったものはないのかもしれませんが、季節を感じる日本行事を、家族と、友人と、誰かと、丁寧に感じていけたら、きっと心地よいですね。
からだを作る食だからこそ、大切な思いを込めて、おいしくいただきたいですね。
幸せを願う食べ物で、素敵な七夕を過ごせますように。
丁寧な暮らしに関連する記事