雨の日の生活と読書 暮らしと雨音に静かに耳を澄ませば
雨が続き、冷たくじめじめした外気で居心地の悪い日が続きます。
洗濯物がなかなか乾かないよねと、この時期の暮らしの悩みを友人に打ち明けると、そういう時は思い切ってコインランドリーの乾燥機を使っているとのアドバイス。次からは私も真似しようかなと企んでいます。
そんな暮らしにも影響を与える天気だけれど、雨粒が屋根に当たる、傘に当たる、地面に当たる音が心地良いなと感じます。音だけで粒の大きさ、風雨の強さも何となく気づく不思議。先日読書をしながらふと聞こえたのは、サーっという軽い音と共に紛れた鳥の声。雨が強くなる前に、食べ物を探しに行こうとしているのかな?
こういう日は出かけづらいからこそ、気が付くとこうして家の中で耳を澄ませてしまいます。いつもより丁寧に過ごしてみたりして、家での時間が充実したりするものです。
雨の音は考え事に集中するためのスイッチ
波の音や川のせせらぎなど、環境音を聞くと落ち着くという方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
私もその一人なのですが、とくに雨音は集中するときのBGMにぴったりだと感じます。だから私はその音を聞きながら家で読書をしたり、調べものをしたりするのが好きなのです。読書をしながらふと気づく、遠くの車の音や、風が草木を揺らす音。それらをザーッという音が吸い込んでいくように、私の意識も一緒に取り込まれていくみたい。
そして何かに集中したいときは、アプリや動画サイトで雨の音をイヤホンで小さく聞きながら作業することがあります。気分が乗ってきたときは、雨の音に重ねてピアノのBGMを重ねたりして。しとしと植物が濡れる様子や、庭にできた水たまりを想像して、私だけの雨のイメージを丁寧に作っていきます。
日本の雨と生活 声に出すことで、より見える情景
こうして雨の音に興味を持ったのはいつからだろう。振り返ってみると、小学生の時に国語の授業で覚えた、山田今次の「あめ」という詩の影響が大きいような気がします。
とくに当時、1つ上の学年の「あめ」の群読発表を聞き、その時の響きと迫力が20年近く経った今も忘れられません。雨粒の音、豪雨の音、ソワソワする暮らしの様子、言葉の重なる小気味よいリズムが大好きでした。「ざんざん」「ざかざか」という響きや、「ぼくらの暮らしを叩く」という表現で、雨の量や強さまでイメージできてしまいます。それから雨にまつわるオノマトペが好きになり、耳を澄ませるようになりました。天気としての雨が、声で、オノマトペで聞こえたときに、雨への親しみに加え、自然の力強さをも感じることができました。
日本人は、雨が暮らしに影響を与える自然現象としてだけではなく、様々な雨の音や様子に名前を付けて、うまく付き合いながら生活してきたのでしょう。文字で読む音、声に出して感じる響き、読書をしながら耳で感じる雨。誰もがいつか過去に経験した情景が、それぞれ頭の中に浮かんでくるのですね。
雨音と読書 のんびり過ごす暮らし
雨の日の暮らし方は人それぞれ。私たちものかき部のスタッフの間でも、たまに話題に上がります。誰かの、雨との付き合い方の話を聞いてみるのも、面白いものです。
私はやっぱり、天気が不安定な季節だからこそ、家の中で聞こえる雨音をBGMにのんびり過ごすのが好き。
静かな気持ちでそっと耳を澄ますことで、見えてくる世界もあると思います。そうして読書や音楽鑑賞など、自分が心地よくなれる丁寧な時間を作ってみるのもいいかもしれません。
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