気楽さと安心感に包まれる。そんなひとり時間を楽しむ暮らし

今年の世相を表す漢字一文字。年末が近づくと、毎年ニュースで目にします。2020年は「密」でしたね。密を避けるため、今年は少人数やひとりで過ごす時間が増えた人も多いのではないでしょうか。本屋さんでも「ひとり時間の楽しみ方」というような特集の雑誌を見かけるようになりました。

家で仕事をする暮らしに気づいてくれた大家さん

私自身も今年は在宅ワークをするようになって、家でひとりで過ごす時間が増えました。
そもそも長い間ひとりで暮らしてきていて、その気楽さを普段から楽しんでいるので、その状況を寂しいとか不安だとか思ったことはなかったし、昔からフリーランスで働く人が周囲に多くいたこともあって、時間や場所を限定して働く以外のワークスタイルにも抵抗はありませんでした。

家で仕事をする暮らしでは、近所のカフェでランチをした後、そのまま仕事時間として過ごすことも。ほとんどの席にコンセントとUSBの充電ポートがついていて、無料のwi-fiも完備されている快適なカフェは、パソコンや資料を持ち込んで、ひとりで仕事や勉強をしている人をたくさん見かけます。人がいる気配は感じながらも、誰と会話するでもなくひとり黙々と作業をしていると、家よりも集中できて捗るような気もします。

カフェ

そんな風に家で働く暮らしを始めたばかりの頃、出掛けに大家さんと会いました。すぐ目の前の家に住んでいる大家さんちの奥さんは、いつ見かけても昔ながらの割烹着のようなエプロンをしている、白髪混じりの女性です。
平日の昼間に家にいる様子の私に「今日はお仕事お休み?」と声をかけてくれます。今は在宅勤務だと説明すると「あら〜、大変ねぇ」と心配してくれましたが、それ以来、この人は平日も家にいるのだと覚えてくれたようです。

トイレの水漏れをきっかけに距離感に変化が

先日、我が家のトイレに水漏れが発生しました。拭き取ってから数日様子をみても、たびたび水が漏れるので不動産屋に連絡したところ、大家さんと修理屋に連絡してから折り返すとのことでしたが、その数十分後「ピンポーン」とインターホンが鳴りました。大家さんご夫妻でした。初めてちゃんとお会いした気がするご主人は、休みの日の父親のような、少しくったりした部屋着を着てやってきました。
「水漏れしたんだって? ちょっと今、見てもいい?」と言われたので、やりかけていたことの手を止めて、部屋に通して見てもらいました。

ご主人が工具を使って直してくれましたが、数日後にはまた水漏れ…。再度不動産屋さん経由で連絡すると、数時間後に奥さんから「今から行ってもいい?」とお電話が。そしてまた、ご主人がくったりした部屋着でやってきて修理してくれました。それ以来、今のところは水漏れせずに暮らしていますが、心配した奥さんは数日後にも電話をくれ、「今度なにかあったら、不動産屋じゃなくて直接言いに来てくれてもいいからね」と言ってくれました。
今日もカフェに出掛ける私を見かけてトイレのその後を聞いた後、「気をつけていってらっしゃい」と声をかけてくれた、割烹着姿の大家さん。「いってらっしゃい」と誰かに送り出されるのが、すごく久しぶりのような気がしました。

なんだかこのトイレ問題をきっかけに、大家さんご夫妻との距離が縮まった気がします。目の前の家に住んでいるとはいえ、毎日通勤していたときには、たまたま出会ったときに挨拶をする程度でした。突然の雨が降ってきた週末には、我が家のベランダの洗濯物を発見して、「降ってきたわよ〜」と家まで知らせに来てくれたこともありましたが、さらに距離が近づいた気がしています。割烹着姿も、くったりした部屋着姿も、まるで祖父母が当たり前に側にいる暮らしをしているかのような親近感を感じさせてくれます。

ひとりだけど、ひとりじゃない。そんな暮らしを楽しむ

ひとり時間

ひとり暮らし歴は長いけれど、これまで暮らしてきたアパートなどでは、ご近所さんとの接点はほとんどありませんでした。建物内で会えば挨拶くらいは交わすけど、たとえば街ですれ違ったとしても、同じ建物に住んでいる人だとお互いに気づけなかったと思います。
家族ではなくても、自分が今どんな状態かを、側で暮らしている誰かが知ってくれている。気にかけてくれている。
ひとりで暮らしている気楽さと、完全にひとりではないと思える安心感。
そのバランスが心地良いと思える今日この頃です。

ひとりの時間を楽しもうと、読書や映画を楽しんだり、家でできる趣味を見つける暮らしもいいけれど。
自分のまわりのそんなゆるやかな関係性を意識しながらの暮らしが、ひとり時間をより楽しく充実したものにするのかもしれません。

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