丁寧な暮らしと衣替え|宝探しで見つけた服を誰かに循環する生活

このところ、暮らしがすっかり秋の空気になりました。
彼岸花の名所がそろそろ見頃を終えるというニュースを見て、少し遠出の自転車散歩をしたときも、風が心地よく感じました。それでも、漕ぎ続けているうちに暑くなってくるので、半袖の上に羽織りものを着て、体温調節できるような服装でお出掛け。普段の生活でも、長袖で過ごす時間が多くなってきました。気温の変化が激しいこの時季は、どんな服を着るかも少し迷いますが、秋はあっという間で、すぐに冬服への衣替えが必要になるんだろうなぁと思う今日この頃です。

彼岸花

衣替えで断捨離候補の服が自然と見えてくる暮らし

我が家の衣替えは、オフシーズンの服をしまっている2階のクローゼットから、身支度動線上にある1階のクローゼットに、少しずつ服が移動していくだけ。洗濯後、「もうこれからは着ないかな」と思った夏服は2階のクローゼットへしまいます。「今日は長袖を着よう」と思ったら、2階のクローゼットに吊るしてあるものから選び、一度着て洗濯した後は1階のクローゼットに収納。これを繰り返していくうちに、2つのクローゼット中身が入れ替わっていくのです。

この生活は、とある収納のプロの教えを参考にしています。その方は、家の中にあるものを7つに分類し、そのうち着るものについては “吊るす”暮らしを推奨していました。だから我が家の生活には、服を入れるための引出し収納や衣装ケースがほぼありません。靴下などの細々したもの以外は基本的に“吊るす”生活です。洗濯後の服は丁寧に畳む必要もなく、ハンガーに掛けたままクローゼットへ。日常の家事を少しでも減らすことができるし、衣替えも簡単。ここ数年で一度も1階のクローゼットに入ることがなかった服は「もう着ない服なのだ」と、断捨離候補も認識しやすくなりました。

子供のころの衣替えは、家族のイベント

子供のころの衣替えを思い出すと、母が椅子に乗って、天袋にしまってある重たい衣装ケースを一生懸命上げ下げしていた姿が思い浮かびます。最近売られているような軽いプラスチック製ではなく、昭和レトロな重たいブリキ缶の衣装ケースが2〜3箱、天袋に収まっていました。母のケース、父のケース、子供たちのケース…と、それぞれにいっぱい詰まった服を全部出し、これからのシーズンは着ない服を集め、捨てるものは選別し、残すものは丁寧に畳んで…を繰り返して衣装ケースにしまい、また天袋に戻します。そうしてみんなで半日がかりで進める衣替えは大仕事でしたが、今思えば、家族で季節を感じるイベントのひとつでした。
私にとっては、姉からのおさがりがもらえるという楽しみも。普段は「おさがりはイヤ!私も新品買って!」と思うこともあったのですが、衣替えのときは、数か月ぶりにあける衣装ケースから掘り出し物(?)を見つけては「お姉ちゃん、コレちょうだい!」とおねだりする、暮らしの中でできる宝探しのような時間でもありました。

洋服

自分にとっての不用品が、別の誰かの宝物になるかもしれない

今、目の前にある断捨離候補の服も、誰かにとっての宝探しになるのかも…
ふと、そう思いました。
今は、フリマアプリを使って不用品を処分する方法もありますが、なんとなく、それは私が感じた宝探しとは違う気がしました。おさがりの宝探しには、ただ金銭を介して物の所有権が移るということとは違う、温もりのようなものを感じたからかもしれません。

いらなくなった本を寄付する活動があることを思い出し、同じようなことが服でもできないかと調べてみたところ、いくつかのNPOを発見。そのうちのひとつに、断捨離候補の服を寄付することにしました。
最近の活動実績が示されていること、有名な企業ともコラボしていて信頼できそうなこと、集まった衣類の量に応じた支援金が別の団体に寄付されることなどが、その団体に決めた理由です。どんな服なら受け取ってもらえるかも、ホームページで丁寧に説明されています。窓口に持ち込む方法もありましたが、遠方だったので発送することに。不要な服を紙袋に入れて送るだけで、手順も簡単です。集まった衣類は海外に送られてリユースされるそうです。日本の服は丁寧に作られていて人気なんだとか。

寄付という言葉だけを聞くと、大規模な自然災害のときに行ったり、ハリウッドスターのような富裕層がするイメージを持ってしまいがちですが、身近な生活の中にでもできることがあるんですね。ひとりの蒔く種は小さいかもしれないけれど、その種が集まれば別の景色が見えてきそうです。
子供のころの宝探しが、海の向こうの会ったこともない誰かの身近で行われるのかもしれないと想像したら、なんだか気持ちがほっこりするなぁ。
丁寧に畳んだ服を紙袋に詰めていきながら、そんなことを考える衣替えとなりました。

小さな花

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