身近なもので思い出す、これまでの私の暮らしと生活

夕方の窓辺のセーター

まだ11月ですが少しずつ年末を意識し始めて、そわそわしているという方もいるのではないでしょうか。

かく言う私も年末に引っ越しを控えていて、その準備をしながらどことなく落ち着かない日々を過ごしています。
年末なんてまだまだ先、そんなぼんやりとしたイメージだったのに、徐々にはっきりと輪郭を帯び始めています。
しかし一方で、この一年を振り返ると、「今年は空っぽだった」とか「思い出がない」という声が多く聞こえてくるのもあって、私も「今年ってなんだったんだろう」と思うこともしばしば。

当たり前だった生活を変えることを強いられ、季節のイベントのようなメリハリがなくなり、従来の思い出作りの場が減ってしまったからぼんやりとした印象しか残ってないのかも、そう感じるのも仕方ないことだと思っていました。

だけどつい先日のこと「今年は空っぽなんかじゃなかった」と思わせてくれるものを、いつもの暮らしの中でみつけることができました。

季節の移ろいは、なくなりかけのリップと夏香るブルーベリー酒

机上のPCとリップスティック

「空っぽじゃなかった」と思わせてくれたもの、ひとつめは、なくなりかけのリップ。

机上のすぐに手が届く場所に置いてあるこのリップは、今年の2月頃に購入したもの。当時はまだマスクを日常的に着用する未来なんて知らず、春の季節限定色だからと普段は買わないピンク系の色味をちょっと冒険する気持ちで選んだことを覚えています。

だけどこのリップを家の外で塗ったのはおそらく数えるほど。その変わりに在宅勤務になって始まったオンラインのミーティングの時にだけ、ひと塗り。だから「せっかく買ったのに今年はリップが減らないなぁ」なんて思っていたんです。だけどある日いつものように使おうと手に取ると、短くてほとんどなくなりかけていることに気が付いて。

当たり前のことなのに。リップが少しずつ、だけど着実に減っている現実にはっとしました。同時に春先から夏、そして現在に至るまでの、季節の移ろいの中で感じてきた想いや感覚が、パラパラとページをめくるように思い出されました。

§

「空っぽじゃなかった」と思わせてくれたもの、もうひとつは自家製のブルーベリー酒。

今年の夏、親戚から大量に届いたブルーベリーをどう消費しようか悩んだ末のはじめての試みでした。先日三か月の熟成期間を過ぎたので飲んでみることに。

新鮮なブルーベリーで作ったお酒は、夏の香りをそのまま運んできたみたいに、当時の暮らしのなにげない一コマを思い出させてくれました。

夏の日差しや空の鮮やかさ、長い梅雨が過ぎてようやく聞こえて嬉しかったセミの音など、思い出しては感じる季節の移ろい。
どこかへ行った思い出よりも、生活の中で丁寧に感じ取ってきた感情がよみがえってきました。
そもそも自家製酒づくりも、生活が変わった今年だからこそやってみようと思えたのかもしれません。

「今年の夏はいつもと違ったけれど、楽しかったな」

空っぽじゃなかった。振り返り白黒から彩る、暮らしの思い出

自家製ブルーベリー酒

リップスティックとブルーベリー酒。なにかを記録するマシンでもないのに、過去の気持ちを鮮やかに呼び起こしてくれました。

そしてなにより嬉しかったのが、空っぽだと思っていた過去が空っぽなんかじゃなく色々な感情に包まれていて、それなりに充実していたと思えるようになったことです。

「つまらない一年だった」と片づけてしまうのは簡単。だけど記憶を丁寧に思い出していくことで、過去の暮らしの一コマ一コマが色彩ある思い出に変わり、その積み重ねである「今」を豊かだと思うことができたのです。

写真とか形に残るものはなくても、生活の軌跡を辿ることで退屈だと思っていた月日がいつか、かけがえのない愛おしいものになるのかもしれません。

アベントカレンダーのある生活。年末に期待を膨らませている私

偶然身近なことから今年を振り返ってみたら、意外と悪くなかった。もちろん全部が願望通りではないけれど、きっと年末の私は「いい一年だった」と締めくくることでしょう。

余談ですが、こないだ街中でアドベントカレンダーを見つけました。以前からアドベントカレンダーというものに憧れていたのと、お手頃な価格だったのも後押しして思わず買ってしまいました。
その自分の行動がなんだか意外で。今までは、憧れはあるけど面倒くさがりの気持ちの方が強くて買えないでいたのです。

もしかしたら、「残された2020年を大切に暮らしたい」という気持ちが芽生えているのかもしれません。まだはっきりとわからないけれど、未来に対しての気の持ち方が変わったような気がしています。

これから残りの2020年をどんなふうに、どんなことを思いながら過ごしていくのか、アドベントカレンダーを壁にかけ季節の移ろいを楽しみにしている自分がいます。

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