在宅勤務が増えた今、暮らしを見つめ返す15分の夜さんぽ

砂浜を散歩したときの足元

突然ふと、散歩に出たくなる時ってありませんか。
そんな時ってなぜだか不思議といつもとは違う発想が生まれたり、忘れがちな大切なことを思い出したり、気が付くと気分がすっきりしていたり…。

先日散歩をしていて「あ、これが本当の心の声なのかも」と思うできごとがありました。

ある日の夜、ふと思い立って散歩をしてみた。

いつも通りに仕事を終わらせて、駅前へ。
いくつかの用事を済ませて、気が付くと夜9時を回っていました。
いつもならすぐに帰ろうとなるところ、今日はなんだかもう少し外にいたい、そんな気分に。
ギリギリ閉店時間に間に合って買い物ができたり、思わぬ交流が嬉しかったり、程よい湿度の外の空気が心地よかったりしたからでしょうか。
「少し歩いてみよう」そう思って、目的なく駅前散歩が始まりました。

在宅が増えて気が付けなかった街や人の変化

「ずいぶん久しぶりだな」
自宅が駅から離れているのと、在宅勤務が続いていることにより、駅前に来る機会が減ったこの頃。
昼間に来ることはあるけど、夜の駅前は数か月ぶりでした。

辺りは夜から営業の飲食店も多く、昼には気づけなかった変化も見えてきました。

コロナか再開発かわからないけど、閉店や移転などで変化が著しい商店街。
「あれ、ここ前なにがあったっけ」
変わりゆく街の景色に物寂しさを感じている一方で、そこに元々なにがあったか覚えていない無責任さ。
結構あるあるだと思いながらも、自分の中に二面性みたいなものを感じました。

それと街並みだけじゃなく、人にも変化が。
以前の賑やかな空気を作っていたお店のキャッチの人や酔った人の姿が消えて、代わりにベンチで談笑するカップルや若者の姿が目立っていました。

お互いたいせつと思う人と限りある時間を共有しているような、そんな風に見えました。
以前のわいわいとした雰囲気も好きだけど、目の前の新しい景色がなんだか心地良く感じました。

夜には見えない昼間の青空と緑のコントラスト

いつのまにか生まれていた「こう生活しなきゃ」という思い

変化している景色を目の当たりにして、はっと気づくことがありました。それは自分自身も変わってきたということ。

「夜に出歩くなんていつぶりだろう」
夜を空気がとても新鮮でした。
コロナの影響で働き方と同時に大きくかわった生活習慣。
元々マイペースな性格だから堕落してしまいそうな自分が怖くて、夜の外出を無意識に断ち切ってしまっていました。

規則正しい朝型生活。その心掛けは良いはずなのに、大切にしていたのは朝の時間だけ。
気付かぬうちに夜は、私にとってルーティンを消化するだけの味気のない時間になってしまっていたのかもしれません。

充実を得たいために、あれもこれもと筋トレやスキンケアやら「やることリスト」を作って、それをいかに早く終わらせて眠りにつくかが最重要事項でした。
最初こそ達成感があったはずなのに、次第にやらなきゃ「いけない」という使命感が。
思い返してみると、さぼることに罪悪感を感じたり、思い通りに進まないと焦ってイライラしてしまっていたり…そんな場面がたくさんありました。
良かれと思って始めたルーティンが、思わぬ落とし穴になっていたのです。

朝の散歩で見つけた木漏れ日

朝も夜も、わたしの生活の一部ということ

朝は良い、夜は良くない、こんな考えに囚われてしまっていました。
どちらも一日のうちのひと続きの時間なのに。

「私には朝の時間も夜の時間も両方必要なんだ」

そう気が付けたらなんだか気持ちが楽なって、自然と足が家に向かっていました。
振り返るとたった15分ほどの散歩だったけれど、心の中の空気が入れ替わったような気分。

そのあと帰ってから、寝るまでにやることリストの中から、「今日はやらないこと」を決めて過ごしました。
いつものサボっちゃった…という後ろめたさなく、逆に「夜出かけても、やらないことを増やせばいいだけじゃん」と前向きな発想に。
気の向くままに夜の時間を過ごせたおかげで、翌朝は心なしかいつもよりすっきりと目覚められました。

過ごし方を決めつけずに、丁寧に微調整をしてあげること

人や物事に対して偏った考え方や思考に陥っていないか気を付けているつもりでいた私。
それなのに一番大切な自分の心には無理をさせてしまっていたようです。
あの時ふと散歩に出たくなったのは、もしかしたら心のSOSだったのかもしれません。

それからは「今日の自分はどうだろう」と自分に問いかけられるようになりました。
心に余裕ができて、少しずつ以前よりメリハリが出てきたような…。
日々そのときの心と向き合って、やること・やらないことを微調整をすることが大切だなぁと感じています。

「朝には朝だけにしか、夜には夜だけにしか流れていない空気がある」
当たり前だったかもしれないけれど、自分にとっては嬉しい発見でした。
今度はいつ、ふらりと散歩に行きたくなるでしょうか。
その時はまた気の向くままに、自分を自由にさせてあげようと思います。

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