暮らしの中で丁寧に積み重ねる梅しごとの時間
6月に入ると毎年、そわそわとスーパーや果物屋さんで目を光らせ、確認してしまうものがあります。
それは、青梅のすがた。
青々ところころとした姿、袋の上からも香ってくる甘く柔らかな香り。
見つけると、思わず胸が「きゅっ」としてしまいます。
青梅を見つけたなら、氷砂糖も一緒に買い物かごに入れて、帰り道のおともに。
青梅と氷砂糖と聞いて、ピンとくる方もいらっしゃるのでしょうか。
そう、「梅シロップ」です。
この時期の大好きな手仕事、私の小さなわくわくです。
この時期の小さな楽しみ、梅しごと
持って帰ってきた青梅は丁寧に洗って、一旦冷凍庫に。
一度冷凍させた方が、より果汁が出てくるのです。
わくわくする気持ちを抑えつつ、仕込みは明日のお楽しみにします。
次の日は朝からわくわく、待ちに待った仕込みに取り掛かります。
梅と向き合う時は、テレビも消して集中。
冷凍庫から出した青梅に手を冷やしながら、梅一つ一つの水気を丁寧に、綺麗なタオルでふき取り、へたを爪楊枝や竹串でとっていきます。
水気をとった梅のほわほわとした触り心地、爪楊枝や竹串でへたがほろっと取れた時の気持ちよさには、何度もうっとりしてしまいます。
すべての梅の水気とへたをとったら、一時間ほど乾燥させます。
その間に保存瓶を洗って、熱湯でしっかり殺菌。
瓶も乾かし終わったら、いざ、梅と氷砂糖を瓶に入れていきます。
とととと、ざらざらざらざら…
梅と氷砂糖が順番に瓶に入っていく音。
緑、白、緑、白の綺麗な縞になるように、バランスも考えながら真剣に。
一つ一つの工程を重ね終えたら、暗いところに置いて、約1週間待ちます。
梅と向き合っている丁寧な時間が、好きなのかもしれない
完成まで毎日、「おいしくなれ」と瓶を上下さかさまに優しく振る時間も、私は大好き。暮らしの一部になっているよう。
とととと、からころからころ…
梅と氷砂糖があちこちへ移動する音に耳を澄ませます。音の心地よさに身を任せて、楽しむ。
梅シロップが好きなのはもちろんだけど、もしかしたら、こうして梅と向き合っている時間が好きなのかもしれません。
「ながら作業」ではなく、丁寧にそのものと向き合うことで気づく心地よさ。
ふわふわとした触り心地、甘く柔らかな香り、とととと、ざらざら、からころという音。
そういうものに対して心動く瞬間。
暮らしの中でつい流れていってしまうこと一つ一つに対して、浸れる贅沢さとでも言うのでしょうか。
そう向き合うことで味に影響するわけでもないかもしれないのに、おいしくなってくれるような気もしてしまうのです。
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