時計を置いて心を自由に、時間に追われない暮らし
長期休暇を使って山の方へと旅行に行った時のこと。普段の旅行では、観光地巡りをしたり現地の友達と会う予定を入れたりと予定を詰めがちなのですが、今回の旅行はゆっくり自然の中で過ごす時間が取りたくて、宿泊先以外に行く予定は立てずに出かけました。
もしかしたら、最近四季の変化や日常の些細な自分の感覚の変化についてチームのメンバーと話をするようになって、どこか追われるように過ごす時間から脱出したかったのかもしれません。
時計とスマートフォンを置いて過ごす 何にも縛られない自由な時間
宿泊先に到着して、時計とスマートフォンから離れて過ごすことしてみようかなと思い立ちました。
スマートフォンは特に日常生活の中で、肌身離さず持ち歩いていたものだったので、大丈夫かな?なんて思いも沸きましたが、特に急ぐ予定や連絡も入っていなかったので、思い切って部屋に置いて宿泊先の目の前にあった森へと出かけました。
時計を見ずに過ごしてみると、無意識に時計を探してしまう自分がいて、普段の暮らしの中で時間を埋めようと”やる事”を探していたことに気づいたりしました。
途中から、時間を埋めるのではなく、心の向くままに行きたい方向に森の中を歩きまわったり、倒れていた木に寝そべって休んだり、お腹がすいたら持ってきたパンをかじったり、思うままに過ごしました。遠くに川のせせらぎが聞こえるな、太陽がちょうど真上に差し掛かって木々の影が短くなってきたなぁ、都会よりも冷たくて涼しい木々を抜けて吹いてくる風など、普段なら気にも止めない自然の中の風景や音を全身で感じながら過ごす時間。少し早い山の夕暮れを見届けて、宿に帰ってからも気ままに晩御飯を食べて、眠くなったと思ったら、いつの間にか寝むっていました。翌朝も目覚ましもかけずに、早朝に目が覚めて森の中へ、森に差し込んで来る朝日を眺めたくて外に出ました。
その頃には、時計やスマートフォンを気にするわたしもいなくなって、”今”を感じながら子どもみたいに、ワクワクしながら気の向くままに森を散策。
そう言えば、子どもの頃にこうやって時間を気にせず気ままに心の向くままに行動していたなぁとか、時間ややることを人から強要されるのが嫌いだったなぁ、なんてことを思い出したりもしました。
いつもの旅では、時間を気にしていて、次の予定に気を取られて過ごしてしまって、こんなにもリラックスしている時間を取れていなかったように思います。次の予定に心がワクワクする感じや、観光地を巡って新しい物を見たりするような刺激は今回の旅にはありませんでしたが、自然と心からリラックスしていくのを感じ、いつもよりも旅の時間が長く感じられているように思いました。
追われるような生活、時間泥棒に囚われていたわたしの心
時計とスマートフォンを置いて過ごしたこの旅は、いつも時間が足りない感じがして、予定ややる事を詰め込むように暮らしていることに気づかせてくれました。それはまるで児童書の「モモ」に出てくる”時間泥棒”に時間を取られた人々のようだなと思いました。
「時間は効率よく使わないと」
「何事も無駄の無いように」
子どもの頃には考えていなかったようなことを、いつの間にか、大人になって会社や周囲の人たちから求められてきたように思います。また、自分も無意識に効率的な時間の使い方をしないといけないし、どこか損しているような気分になって、効率を求めて無駄を嫌うような考えに染まっていました。
「時間に追われるような大人になりたくないな」と子どもの頃に思っていたはずなのに…
いつしか無意識に時間に追われる暮らしをしていたようです。
時計とスマートフォンを置いて過ごした時間は、「こうでなくちゃいけない」という思いからわたしを解放してくれたように思います。普段は意識していない、わたしの中に眠っていた感じる力を思い出させてくれました。実は微細に周囲の変化や”今”を感じているわたしがいることを感じた時間でした。
だからこそ、旅の時間が長く感じられたのかもしれません。
非効率に思えるような時間が届けてくれる 自由な心がある暮らし
効率的な時間の使い方を覚えることは、社会で仕事をして、毎日の暮らしを進めていく為には大切だと思います。けれど、それだけでは無くあえて非効率なことをやってみることや、予定を詰め込まずに時間に余白を作ってみると、今まで見落としていたものが見えてくることがあるのかもしれません。
時計やスマートフォンを置いて、たまには時間や他人に縛られない、自由な時間を作ることで、心の内側で本当は感じていたことを知ることができたりするかもしれません。非効率のようかもしれないけれど、あえて非効率をしてみることで大切なものを思い出すことができるかも。
わたしも、また時計とスマートフォンを置いて過ごす時間をつくってみようと思っています。
今度はどんなわたしに出会えるのか、今から少し楽しみです。
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