【はじめての読書会①】詩集『バウムクーヘン』を読んでみたら

詩集『バウムクーヘン』の表紙

一冊の詩集に心惹かれて、ページを開いてみたら……。

実は苦手意識を持っていた「詩」というもの。
ある一冊の詩集に出会ってわかった、詩の楽しみ方がありました。
ものかき部はじめての読書会のこと、少しだけお話させてください。
一緒に詩を、心を、言葉を、味わう時間になれたら幸いです。

苦手意識をもっていた、学校で大人に教わる〈詩〉というもの

私にとって詩は苦手な存在。頭のいい人の特別な文学だと思っていました。
というのも、小学校の授業でのちょっとしたトラウマのせいかもしれません。

たしか小学校低学年の頃だったでしょうか。
それまでも暮らしの中で絵本を読んだり読み聞かせてもらったりして、きっとそれなりに詩に触れてきたはず。それなのに、授業という学びの場で読んだ詩はなんだかすごく難しく感じたのです。

当時の記憶は例えばこんな感じです。
短い文章に聞いたことのない擬音と、とりとめのないストーリー。
漢字が少なくて一見簡単そうなのに、意味がよくわからない。だけど先生は算数のように正しい答えを教えようとする…。

挙手するクラスメイトの発言を聞きながら、わからないなりにふんわりと考えてみる。
だけどどうしても黒板に書かれた答えと私の頭の中は一致しない…。

「詩って難しいんだ。きっとなにか特別なものなんだ」
そんなふうに思って以来、詩は遠い存在に。かれこれ数十年も苦手意識をもって過ごしてきました。

本屋でたまたま出会った谷川俊太郎さんの『バウムクーヘン』

背表紙の「あとがき」

そんな私ですが、ある一冊の詩集と出会います。
先日なんとなく入った本屋でふと目に入ったのが、谷川俊太郎さんの詩集『バウムクーヘン』でした。

ディック・ブルーナさんのイラストがデザインされたハードカバーが、まるで絵本のよう。描かれているのは「花」なのに、そのタイトルが「バウムクーヘン(食べ物)」であることが面白くて、「いったいどんな本なんだろう…」と思わず手に取って、裏返してみると背表紙にこんな「あとがき」が書かれていました。

「(前略)・・・これは私の中に今もひそんでいる子どもの言葉をかりて、老人の私が書いた大人の詩集です。ヒトが木の年輪(バウムクーヘン!)のように精神年齢を重ねていくものだとしたら、現在の自分の魂の中にゼロ歳から今に至る自分がいてもおかしくありません。・・・(後略)」

そのあとがきを読んだだけで、胸が高鳴っているのがわかりました。「木の年輪=人間の年齢」という例えが妙に心を掴んでいたのです。
「私もかつて”子ども”だったのだから、きっと大丈夫。この詩なら楽しめそう」
そう思って、ささっとお会計を済ませドキドキわくわくしながら家路についたのでした。

詩を通して思い出す、ずっと忘れていたこと

もくじ。黄色が基調のなった装丁が綺麗です

熱中して詩を読むなんてこれまでの自分では考えられないけれど、それほど私にとって『バウムクーヘン』は、心を動かす何かを持っていました。

忘れていた幼いころの記憶が、谷川さんの紡ぐ言葉で呼び起こされます。時には空想のストーリーや、夢が現実かおぼろげな記憶の断片が浮かんできます。それを丁寧に追うように読み続けていたら、いつのまにか夢中になっていました。

本を閉じて一息ついた時にふと、「ものかき部のみんなはこの詩でどんなことを思うのだろう」と興味が。生まれ育ってきた環境や見てきた景色が違うそれぞれが、この詩を読んでどんなことを連想してどんな言葉を使って表現するんだろう。その言葉からどんな会話が生まれるのだろう。
これまでの苦手意識はどこへ行ったのか、好奇心でいっぱいです。詩を学ぶ授業は苦手だったけど、自由に言葉を交わし合うものかき部のメンバーとなら詩を楽しめそうだと思い、週1回行われるミーティングの時間に読書会を開催することにしました。

<つづく>

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